
パートに出ようかな、、、と思ったとき気になるのは扶養や税金のこと。
近年の税制法改正もあって、パニックになっている方も多いと思います。
結婚して出産してひと段落付いたとき、正社員として復職したり、パートに出たり、女性の多くが何かしらの仕事をする時代になりました。
平成27年の国税調査でも、共働き世帯は64.3%に対し、専業主婦世帯は35.7%と、夫婦共働きの方が2倍近くになっています。
そんな時気になるのが「扶養や税金」これらとパートで稼ぐ金額の関係で、損をしない働き方についてではないでしょうか。

ちょっと前まで、「103万円の壁」なんて言われていたけど、今は106万円、130万円、150万円、201万円って、いろんな数字が出てきていて、一体何が一番得なのかがさっぱりわからないわ!

せっかく大変な思いをして働きに出て、逆に税金や保険料を多く払って働き損になるなんてこと、絶対にしたくないわ!
子育ての忙しい合間を縫ってお仕事をする主婦(夫)だからこそ、一番損のない働き方が知りたいですよね!
そこで、2021年最新版「税金・年金・扶養控除・社会保険」ぜーんぶひっくるめて、主婦(夫)が仕事をするときにかかるお金や制度のことをまとめ、おすすめな働き方を提案します。
- パートとお金の基礎知識がステップ形式で全部でわかる
- 2021年最新の配偶者控除制度についても分かる
- パートに関わる全ての壁が一覧でわかる
- 一番自分に合った得する働き方が見つけられる
専業主婦(夫)からパートへ、注意点を5ステップで解説
子育てをしている方が直面する、子供の教育資金3000万円問題。
出産前はなんとなく専業主婦(夫)を夢見ていたけど、そうもいっていられなくなった、少しでも家計を豊かにしたい、そう思う人も多いはずです。
そんな、今まさに職を探していたり、近い将来働こうと考えている方が、逆に働き損になってしまわないために、下記の5つのステップで税制や扶養のことを正しく学んでいきましょう。
STEP1:2つの扶養の違いを理解しよう
パートの働き方で、よく「扶養内で働く」という言葉を耳にすると思います。
でも、この「扶養内」について、正しい理解ができている人は意外と少ないもの。
と言うのも、この「扶養」には、「社会保険上の扶養」と「税制上の扶養」の異なる2つの扶養があり、ここを混同せずに正しく理解できていない人が多いからです。
まずは下記の記事で、「社会保険上の扶養」と「税制上の扶養」の違いをしっかり理解しましょう!
STEP2:パート収入と自分にかかる税金
主婦(夫)がパートを始める際に気にするのが「扶養控除」など、世帯主の税金のことですが、パートに出てお金を稼ぐということは、稼いだ本人にももちろん税金がかかります。
パートする本人にかかる税金「住民税」と「所得税」、そしてそれがかかるボーダーライン・税計算の基本についてしっかりと理解しましょう。
STEP3:社会保険上の「扶養」の意味
社会保険とは、「健康保険」や「厚生年金」のことを指します。世帯主の社会保険の扶養に入ると、保険料を負担することなく社会保険に加入できます。
ただし、年収が一定の金額を超えると扶養から外れます。
扶養から外れると、自分で保険料を納めなくてはならなくなるため、手取り収入が大幅に減りますが、その分様々なメリットもあります。
詳しくは下記の記事で解説しています。
STEP4:配偶者控除と配偶者特別控除
「配偶者控除」と「配偶者特別控除」は、税制上の扶養に関する内容のうち、パートする本人ではなく、「世帯主」にかかる課税金額に影響する制度です。
パートする主婦(夫)本人の年収には直接影響を及ぼしませんが、世帯年収で考えたときに、控除対象から外れることでかかる税金が大きくなって、損をしてしまう場合があります。
この配偶者控除に関しては、2018年の法改正により、配偶者控除を受ける世帯主側の年収要件が3区分に分けられ、控除額も段階的なものになりました。
注意すべきは、世帯主の所得が1,000万円(給与所得なら年収1,195万円が目安)を超えた場合、配偶者控除が受けられなくなったことです。
パートナーの年収も加味しながら、それぞれの家庭において損にならないパート年収額を計算してみましょう。
詳細は下記にまとめました。
STEP5:パートを考えるうえでの6つの年収の壁
ここまで4ステップで見て来た内容には、それぞれ「年収の壁」と言われる、制度の対象外・対象内を分ける年収のボーダーラインがあります。
最後に、その6つの壁をまとめた表を見て、ご自身の家庭がどの壁を意識しつつパートに出るのか、または正社員としての職場復帰を目指すのかの目安にしてみてください。
パート年収の壁 | 世帯主の税金 | 世帯主の社会保険 | パート者の税金 | パート者の社会保険 |
---|---|---|---|---|
100万円の壁 | 「住民税」発生のボーダーライン。 93万~100万円と地域により変動アリ | |||
103万円の壁 | 配偶者控除38万円を受けられる上限年収 | 「所得税」非課税のボーダーライン。 | ||
106万円の壁 | パート先が501人以上の規模の企業である場合、社会保険の加入が義務になるボーダーライン。 ※2022年以降、段階的に企業規模が小さくなり、社会保管加入対象者が増える。 | |||
130万円の壁 | 社会保険の扶養の境界金額 | パート者本人が社会保険に加入する必要がある | ||
150万円の壁 | 配偶者特別控除満額の38万円が受けられる上限金額。 | |||
201万円の壁 | 配偶者特別控除が受けられる上限金額。 |

パートをしても、年収を100万円以内に収めれば、住民税も所得税もかからず丸々全て手取りになるし、130万円を超えると税金や社会保険などパート者本人の負担になるのね!

2022年から社会保険の適用拡大が本格化して、社会保険の負担が106万円から対象になる人が増えることになるわ。そこが注意点ね!
年金とパートは切っても切り離せない関係
老後の生活を考えるうえで「年金」は無視できない存在です。
「年金制度は崩壊するから、今の若い人には関係ない!」
そういって年金を払っていない人も増えているようですが、年金制度は改悪こそしても完全に崩壊することは考えにくく、現役世代のうちにしっかり考えておく必要があります。
会社勤めをしていると厚生年金を天引きされている人も多く、パート勤めでも、世帯主の扶養として第3号被保険者でいるか、パート先で厚生年金に加入して第2号被保険者になるかの選択で、将来もらえる年金額に大きな影響を与えます。
「扶養から外れると、遺族年金が減って損をする」
「自分で厚生年金に入っている方が、得をする」
様々な意見がありますが、実はそれは夫婦の年齢差や厚生年金加入年数など、各家庭の状況によって大きく異なります。
きちんと年金制度を理解することで、自分の状況下では、扶養の方が得をしそうか、または自分で厚生年金に加入した方が得をしそうか、自信で判断できるようにしましょう。
専業主婦よりパートがおすすめと言われる理由
時代の流れか、一昔前までは圧倒的に多数派だった「専業主婦」は少数派になり、今では出産を経ても正社員でバリバリ働く女性も増えてきました。
そんな中で「パートで働く」と言う選択肢は、専業主婦と正社員での働き方の間で、子育てママに様々なメリットと可能性をもたらします。
- 年収100万円までは非課税で働いた金額の全てが手取りになる
- 世帯で収入源を複数持つことで万が一でも収入が0にはならない
- 金銭的な余裕は、心のゆとりになる
- 家族や地域以外の人間関係ができる
- 仕事と家事育児が両立しやすい
- 手に職や技術が身に付く

家計にゆとりがあるご家庭でも、非課税になる月8万円程度パートをして、その8万円をすべて投資に回せば、未来が大きく変わると思いませんか?

生活のためではなくても、日々の暮らしを充実させたり、未来のための資産形成の種銭づくりにもおすすめなのが主婦のパートなのね!
扶養内で働くか扶養外で働くかどっちが得?
よほど家事や育児や介護に忙しく、全くパートに出る余裕が無かったり、働く気が一切ない場合を除いては、メリットが大きいパート働き。
とはいっても、扶養内で働くか、扶養を外れて働くか、どっちが得なのかは気になるところです。
「税金・年金・扶養控除・社会保険」について、ここまで客観的データを見てきましたが、何を「得」や「損」とするかは個人の価値観が大きいところです。
とは言え、「あとは自分で考えてください」ではあまりにも冷たすぎるので、正社員経験もパート経験も、フリーランス経験もある筆者が、すべての経験の中から考える「一番得する働き方」について、多角的にまとめて、この記事を締めくくりたいと思います。
小さい子持ち主婦におすすめなパートの仕方
一番効率的で損をしない働き方、それは年収100万円以内に収めて、住民税も所得税も非課税で全てを手取りにする方法です。
年収100万円と言うと、月に8万円ちょっと、時給1000円で考えても週に20時間ほどの労働です。
正社員の基準週に40時間のちょうど半分、1日にすると4時間ですから、気軽に負担なく始めることができます。
小さい子供を育てながら、ずっと子供と過ごしていると、気がめいってくることもあります。
少しの時間預かってくれる親や親戚を頼ったり、託児付きのパート、子供が幼稚園や小学校に行っている間などを利用して、息抜きがてらにパートをするのはとてもおすすめです。
保育料でパート代が消えるような働き方はおすすめできませんが、少し子供と離れて、家族以外の人と会話をするのは、子育てママにはとても有意義なことです。

パートで稼いだお金を、少し自分の息抜きに使ったり、将来のための投資や、自己投資をして、ママ自身の人生を楽しむことも大切です。
そうすることで、子供にも優しくできます。
豊かになりたい主婦におすすめの働き方
働くことも、遊ぶことも目いっぱい楽しみたい人は、正社員になって、本格的に働くことをおすすめします。
201万円の壁も振り切って、家計を2本柱で支えるくらいしっかり働く方が、家計には大きくプラスになります。
年収1000万円の家庭では、実は世帯主1人で1000万円稼ぐよりも、夫婦2人で500万円稼いで1000万円にする方が、税金は安くすみ、働き損になりません。
日本の累進課税制度によって、このようなトリッキーな仕組みになっています。
そうと分かれば、夫婦で仕事も子育てもシェアして、2馬力で働くことで、世帯年収も増え、将来受け取れる年金額も増え、更に片方に万が一のことがあっても、家庭は安泰です。

どうせ、130万円を超えたら社会保険も所得税も自己負担することになるなら、思いっきり上限を振り切って稼いだ方が得ってことね!

仕事が好きな方、豊かになりたい方は、ぜひ壁のことは気にせずバリバリ働きましょう!
自分でプチ起業・フリーランスをしてみる
「起業」と言うと、大それたイメージを持つかもしれませんが、フリマアプリで不用品を売ったり、ハンドメイド作品の販売をオンラインや地域のイベントに出店したり、ちょっとした特技をフリーランスとして働いてみるのもおすすめ。
専業のフリーランスなら年間38万円(月3万程度)、パートとの掛け持ちなら年間20万円までは申告の必要もありません。
この額を超えると確定申告の義務は生じますが、基本的に扶養に関しては、パートと同じです。
coming soon
自分の開いている時間で特技を売ったり、趣味の延長を仕事にするなど、働き方は無限大です。
中途半端が一番損をする
色々な働き方、可能性があり、ライフスタイルも様々。
そんな中で、一番損をする働き方はやっぱり「中途半端」
- 年収103万円以上160万円未満で、好きでもない仕事をイヤイヤしている
- フルタイムパートで、正社員と同等の仕事内容
- 働いている分が、働くために子供を預ける保育料などにほとんど消化されている
- 楽しくない、辛い、しんどいと感じながら高給で働いて消耗している
損得を考えるなら、お金だけではなく、人生の貴重な時間、大切な精神状況や健康、それらの全てを加味して、自分にとって一番得な働き方を見つけましょう^^

人生は一度きり。今の自分も、将来の自分も幸せでいられる働き方を目指したいですね♡
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