知っているようで知らない年金制度。将来の自分のために今からしっかり学びましょう♪
年金の話を同世代の30代とすると
「どうせ私たちもらえないからあんまり関係ないよね?」
と言う人が多くてびっくりしています。
年金についてのネガティブなイメージが大きく、年金をただ保険料だけ払わされている悪者のようにとらえる人が結構いることを残念に思います。
と言うことで、今回は年金について、様々な角度から複数記事にわたって丁寧に解説したいと思います。
- 年金についての全体像が分かる
- 公的年金をマスターできる
- 年金の増やし方がわかる
- 将来の老後資金の心配がちょっとだけ減る
- 老後資金のために今の自分が何をするべきかが明確にわかる
年金ってどういう制度?
「年金」と一言に言いますが、年金と言うのは、国民年金から確定拠出年金(iDeCo)まで、様々な種類があります。
ここでは、年金の種類や年金制度の全体像について説明したいと思います。
公的年金と私的年金
年金には、国が強制加入を義務づけている「公的年金」と、任意で加入を選択できる「私的年金」と言うものがあります。
公的年金は、国民年金や厚生年金の2階建て構造となっており、一方の私的年金は、国民年金基金、確定拠出年金、確定給付企業年金、また民間の保険会社などが販売している個人年金保険を指します。
私的年金は、公的年金の上乗せでの給付をするための制度です。
国民年金と厚生年金
日本の公的年金制度は、2階建て構造となっています。
一階部分は、全員が加入義務のある「国民年金」で、2階は会社員や公務員などが加入する「厚生年金」です。
年金と被保険者
日本の年金税度は、日本国内に住所を有する20歳から60歳の国民は加入しなければならないことになっています。
それ以外の場合は、加入義務はありませんが「任意加入」することもできます。
例えば、60歳から65歳の人や、海外移住者などです。
強制加入の被保険者は、第1号・第2号・第3号の3種類に分類されます。
第1号被保険者 | 第2号被保険者 | 第3号被保険者 | |
---|---|---|---|
対象者 | 自営業者・学生・無職 | 会社員や公務員 | 第2号被保険者に扶養されている配偶者 |
年齢 | 20歳以上60歳未満 | 年齢要件無し(16歳でも会社員なら加入できる) | 20歳以上60歳未満 |
保険料 | 16,610円 | 標準報酬(月額・賞与)×18.30% | 0円 |
保険料負担 | 全額自己負担 | 会社との労使折半 | 第2号被保険者の保険料として含まれる |
年金の支払いと猶予・免除制度
第2号被保険者である厚生年金は、会社のお給料からの天引きで、労使折半されるため、働いている限りは未納や免除と言うことはありません。
一方無職や自営業者を対象とする第1号被保険者については、下記のような保険料の免除制度があります。
法定免除
障害年金基金や生活保護を受給している場合、届出によって年金保険料の全額が免除されます。
申請免除
経済的な理由で保険料の納付が困難な場合は、申請して認められた場合には保険料の一部か全部が免除されます。
全額免除 | 4分の3免除 | 半額免除 | 4分の1免除 |
納付猶予制度
50歳未満の第1号被保険者で、本人と配偶者の収入が一定以下の場合は、申請によって納付が猶予されます。
猶予された保険料は、10年以内に「追納」することが可能です。
※未納の場合は2年以内
学生納付特例制度
第1号被保険者で本人の所得が一定以下の学生は、申請によって保険料の納付が「猶予」されます。
産前産後期間免除制度
第1号被保険者で出産した人は、出産日が属する月の前月から4か月間の年金保険料が免除されます。
多胎妊娠の場合は出産日の3か月前から6か月間と、免除期間が長くなります。
産前産後の免除の場合には、納付期間にも含まれ、年金保険料を支払済ということで年金額の計算がされます。
年金の計算方法はこちらに詳しくまとめました。
年金っていくらもらえるの?
年金って、実は65歳になったからって勝手に振り込まれ始めるわけではないんです!
まずは自分が年金の受給資格があるのかを国に確認(裁定)してから、年金の給付を請求しなくちゃいけないんですよ。
割と手間がかかるのね、手続きがうまくできない人はもらい損ねちゃうのかしら、、、。
公的年金の給付
年金は、受給権の発生月(通常誕生日月)の翌月から死亡するまで支給されます。
年金は原則として、偶数月の15日に前月までの2か月分が支払われます。
■3月生まれの場合
受給権の発生・・・3月
支給開始・・・4月(受給権の発生の翌月)
初回の支給日・・・6月15日(4月・5月分)
※以降偶数月の15日に2か月分支給
マクロ経済スライドって何?
年金額は、原則として物価や賃金の変動に合わせて改定されることになっています。
ただ、物価や賃金の変動に関わらず、平均余命の伸びや現役世代の減少によって、年金の財政にマイナス影響を与えています。
これらの状況も考慮して、年金給付額を自動的に調整する仕組みを「マクロ経済スライド」と呼びます。
年金給付に関する色々
年金って将来無くなる制度って本当?
マクロ経済スライドのところでも触れましたが、平均余命の伸びや現役世代の減少によって、年金の財政はマイナス影響を受けています。
こうしたことから
- 高齢者が増えて若者が減るから破綻するんじゃないか?
- 現状の年金って税源どうなってるのか?
- 今多く払っても、将来年金はほとんどもらえないんじゃないか?
こういったことが言われ、年金制度の存在が危ぶまれ、年金保険料を支払わない人も増えていると言われています。
ですが、年金の財源の半分は国庫負担だと知っていますか?
財源の10%で運用している機関投資機関が、2020年は37兆円の利益(国家予算レベル!)を上げたのをご存じですか?
年金へのイメージと現実の認知のゆがみを解消するために、年金のリアルを下記の記事にまとめています。
老齢年金の増やし方は結構あるって知ってた?
割と若い人ほどもらえないと思い込んでいる老齢年金。
ちゃんともらえますし、もらうにあたって少しでも多く増やすにはどうしたらいいのかを下記の記事に詳しくまとめました。
障害年金って精神の病でもらえるって本当?
年金制度の「障害給付」について詳しくまとめました。
精神疾患でも受給できる障害年金の詳細、もらい方、金額などについてはこちらのページをご覧ください。
遺族にも給付されるって本当?
もし、一家の大黒柱が万が一亡くなってしまったら?
一定の条件を満たしていれば、その遺族には「遺族年金」と言う年金が給付されます。
年金って海外移住したらどうなるの?
最後にちょっぴりおまけ。
私は将来海外移住したいなと思っているのですが、そんな時年金の支払いや受給がどうなるのかが気になりました。
いろいろと調べましたので、おまけコンテンツとしてお楽しみください。
年金のこと、調べれば調べるほど「悠々自適な老後ライフ」には程遠いものがあることに気づかされます。
やっぱり、自分の老後のお金は、年金だけではなく自分でもしっかり計画を立てて準備しておく必要があると思いませんか?
NISAやiDeCoなど、国を挙げておすすめしている長期投資での老後資金調達、ぜひ検討してみてくださいね!
!子育て現役世代だと、教育資金にばかり目が行きがちですが、老後の自分の楽しみのためのお金もしっかり準備したいですね!
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