【FPが解説】マイホームはお金もリスクも高すぎる!家が欲しい人が知っておくべき持ち家の5つのデメリット

お金の知識

多くの人が憧れるマイホーム。

結婚をしたら、子供が生まれたら、、、とマイホーム購入を考えるタイミングはいくつもありますよね。

そんな多くの人が直面するのが

「家が欲しい!でもマイホーム高すぎ!」

というお金のハードルだと思います。

ファイナンシャルプランナーになる前の私も、例にもれず、高すぎる持ち家をどう手に入れようかということばかりに頭を悩ませていました。

ところが、FP資格を取り、ライフプランニングやお金の知識を得た後、考えは180度変わり、

「マイホームリスク高すぎ!持ち家いらない」

になりました。

今回は、ここまで考えを変えるに至ったマイホーム購入のデメリットを5つ解説したいと思います。

マイホームの購入を考えている人や、マイホームに憧れを持っている人は、購入前に絶対に知っておくべき内容となっています。

そしてその解決・回避方法も最後にご提案していますので、ぜひ最後までご覧ください。

マイホームを購入してから後悔しても後の祭り!

人生にかかわる高い買い物だからこそ、リスクやデメリットにもしっかり理解してから購入するかしないかを決めましょう。

マイホームはお金もリスクも高すぎる

「マイホーム高すぎる!」

マイホーム購入を考えて一番に思うのは、その購入金額の高さですよね

数千万円単位の買い物なんて人生でしたことが無く、マイホーム購入が人生で一番大きな買い物になる人も多いので、最初はその金額にビビりまくりです。

でも、そんな大きな買い物であるにもかかわらず、「住宅ローン」のシステムを使えば、手持ちのお金がほとんどなくても、手の届く月額の支払いで住宅を購入することができます。

「月額にすると、今払っている家賃よりも安いですよ!」

「住宅は資産になりますが、家賃は払っても資産にはなりませんよ」

そんな言葉巧みな不動産屋の勧誘で、“賃貸にお金を払うよりはお得”だと思い込み、35年間のフルローンを組んで高い住宅を購入する人は後を絶ちません。

私のママ友も、みんなフルローンで家を建て始めたから、最近私も、、、と思っていたところなのよ。

ちょっと待った!

はっきり言って、これは「罠」です。

FPに言わせれば、家賃とローンを比較して考えるこの考えが非常に危険でナンセンスです!

それは「木を見て森を見ず」状態だからです。

数千万円のローンも返済額を月額にすると十数万円となり、今払っている家賃とさほど変わらないので、家を購入することがぐっと身近に感じられるかもしれませんが、「家賃を払う」「家を買う」本質が全く違います

本来家を買う人は、「家賃との比較」ではなく、「持ち家を持つ本質」特にリスクやデメリットをしっかりと理解したうえで、その費用が適正なのか、自分が許容できるリスクなのか、費用対効果が高いのかを考える必要があります。

と言うことで、ここからはマイホーム購入のデメリットを5つ解説します。

マイホームは金額が高すぎるだけでなく、リスクもかなり高いから、冷静に検討することが必要ってことね。

持ち家の5つのデメリット

マイホームを持つメリットはここでは割愛させていただきますが、憧れを持ち夢見るマイホームの現実にしっかり目を向け、自分にとってのマイホームのメリットと天秤にかけてみましょう。

憧れだけで35年の借金を背負ってしまわないように、水を差すようですがデメリットにはしっかり目を向けたいですね!

1:住宅ローンは高額な借金

よく比較される「月額家賃」「ローンの返済金額」

家賃とは、その家に住むための費用で、1カ月分の家賃を払えばその家に1カ月住む権利が与えられます。

当然、家賃を払わなければその家には住めません。

逆に言えば、その家に住みたくなくなったときは契約を解約して、別の家に移ることも容易です。

一方住宅ローンの返済月額は、家賃のような「その家に住むための費用」とは全く違います。

「家」と言う“モノ”を借金で購入して、その借金を利息付きで返済しているのが「住宅ローン」です。

当たり前だと思いました?でもその当たり前のことをちゃんとわかっていない人って多いと思います。

住宅ローンを組むということは、その家が故障しようが、古くなろうが、仕事の都合で住めなくなろうが、近所づきあいのトラブルがあろうが、収入が減って支払いが苦しくなろうが、その家を所有する限り、何があっても返済し続けなくてはならない義務が生じるのです。

極端な話、その家が倒壊して物理的に住むことが出来なくなっても、住宅ローンは完済しなくてはいけません。

そして、ローンを払えなくなれば、任意で家を売ったり競売に掛けられて残りのローンを返済することになりますが、ローンの返済額よりも安い値段しかつかない場合もあるのです。

こうなると、家はないのにローン残債だけを支払い続けなくてはならないという地獄を見ます

35年のローンを組むということは、35年間そうしたリスクを抱え続け、その家に縛られ続けるということなのです

更に借金なので、もちろん購入金額以外に利息も支払うこととなり、そのトータルは決して少ない金額ではありません。

35年間って、その間に家族のライフステージも変わるし、大きな病気や離婚をしている場合だって考えられるから、安易に大きな借金を作るのは怖いわね。

2:維持・メンテナンスに費用が掛かる

家を購入するということは、家賃のようにただ住宅ローンだけを返済しておけばいいというわけではありません。

賃貸とは異なり、壊れた設備の修繕や美観の維持は、当然ですが全て自前で行う必要があります。

マンションの区分購入なら、ローン返済とは別に「管理費」も月額徴収されます。

そしてさらに「固定資産税」と言う税金も払うことになります。

このように、家賃とは違い、家を購入する場合は「家を購入した借金の返済」「住宅を維持する費用」は別で支払っていく必要があるのです。

こんなに別途費用が掛かるなんて知らなかった!ローンの返済だけでいっぱいいっぱいなのに大丈夫かしら、不安。

最初の数年は家も設備も新品なのでそこまで維持費用も掛かりませんが、年数がたてばたつほど家も設備も古くなり、メンテナンスに多くの費用が掛かるのは必至です。

賃貸みたいに、不動産屋に連絡したら何とかしてくれるというわけではなく、自分で業者を手配して費用を払ってと、手間とお金もかかるのよね。

3:嬉しくてテンションが上がるのは最初の数年だけ

費用のことはなんとなくわかっていても、それでもマイホームが欲しくなる気持ちはものすごくわかります。

ピカピカのマイホームは多くの人の夢でもありますよね。

ただし、「夢がかなって嬉しい!」とテンションが上がるのは、長くても最初の数年だけです。

人間は環境にだんだん「慣れ」ますし、新品でピカピカだった家もだんだんと古くなり、生活感や傷みも出てくるものです。

そして、今度は「飽き」がきたり、不具合に悩まされることになります。

私の周りにもマイホームを建てた人はたくさんいますが、計画をしたり設備などを選んだり、建てているときが一番ワクワクで、幸せのピークは家が手に入った数カ月から数年という人ばかりです。

マイホームのその後というのは、子供が壊したり、手入れが行き届かなくてどんどん汚くなったり痛んできたり、設備や建具にもがたがきて、それは35年間テンションを上げ続けてくれるものではないのです。

ネット上でも「マイホームいらなかった」と言うような書き込みなどは本当に多く見受けられますね。

4:天災や人災のリスクが高い

私の実家は、阪神大震災の影響で倒壊こそしなかったものの壁にヒビが入り、建付けに歪みが出てドアの開け閉めがしづらくなりました。

今住んでいる賃貸の一軒家も、数年前の大阪の地震の影響で壁にヒビが入りました。

何年も住んで入れは、地震・台風・雷・洪水・疫病などの天災の影響を受けることもあれば、火災・浸水・破損などの人災の影響もうけます。

確かに、何十年も大小含め何の災害にも遭遇しないことの方がありえないわよね。

災害で不具合が起きた場合、持ち家の場合は、当然ですがそのまま我慢して住み続けるか、お金を払って修繕しなければ元には戻りません。

賃貸であれば、管理会社に連絡すれば基本的には修繕してくれますし、修繕してくれなくて不具合がストレスになる場合は引っ越せば済みます。

住める程度の不具合で済めばまだいいですが、災害の影響で家が倒壊して住めなくなった場合でも、持ち家なら自分の責任で倒壊した住宅の処理や住むために建て替えをしなければなりませんが、賃貸ならその責任はありませんので、引っ越せば終わりです。

新築を建てて2週間で洪水で家が流されたというニュースを見たことがあります。住む家を失っても、ローンは払い続けなくてはいけないのです!

災害って、コントロールしようがないから、本当に大きなリスクよね!

今回のコロナウィルスの影響でも、2021年9月段階で8万人の住宅ローン破綻があったと言われています。

今回のコロナのように疫病で務めていた会社の業績が悪くなって給料が下がる、会社が倒産する、こうした2次災害で、ローンを払えなくなるということもあるのです。

5:持ち家は資産ではなく負債

「持ち家は資産だから」

こんな言葉を信じている人は、考えを改める必要があります。

人が住んだ後も、価値が下がらない、もしくは購入価格よりも販売価格が高くなる「資産」になる物件は、無いとは言いませんが、ほんの一握りであることは確かです。

ほとんどのマイホームは、購入して納品されてドアを開ける前までが一番高い価値があり、一歩踏み入れた瞬間、物件の価値は半分まで下がるというのはあまりにも有名な話です。

ローンが完済し、築35年になった、人が住み倒した住宅にどのくらいの価値があるでしょうか?

立地が良ければ土地に値段はつくかもしれませんが、家自体の価格は0かマイナスです。

実際私の旦那の実家は、6000万円で購入して25年でローンを完済した50坪の土地付き一軒家で、評価額は800万円でした。

こうなれば、売ることもできず、取り壊すのにも費用が掛かり、不便な郊外で無駄に広い古い家を持て余し、修繕しながら住むという選択しかできなくなります。

私の実家も、ローンは終えましたが、阪神大震災を経てボロボロだったため、フルリフォームして弟が住んでいます。

たまたま継ぐ者が居たため、両親は別の場所に移り住むことが出来ましたが、誰も継がない家は悲惨な末路をたどります。

私の祖父母の家はもう築年数が60年を超え、90代の祖父母は自活できず老人施設に入ることになり、今その家は空き家になっています。

この古くてもう住むことのできない家をどう処分するのかで、今家族は大変な負担を強いられています。

総務省統計局の平成30年の調査によると、日本の空き家は848万9千戸(全国住宅の13.6%)あることがわかっており、人口が減っていく未来にはもっとその数は増えているでしょう。

これが日本の住宅の現状です。

それでもあなたが35年フルローンで購入しようとしている家は「資産」だと言えるでしょうか?

もはやよほどの価値がない限り、ローンを払い終わっても売ることもできない「負債」でしかないのは明白です。

ローンを払い終えた先のマイホームの末路までは考えていなかったわ。こんなことになるなら、夢のマイホームを買うのはもう一度ちゃんと検討しなくちゃだわ!

家を買うなら、これらのデメリットをしっかり認識し、出口戦略をもって購入しないと大変なことになるのは必至です。

「お金がないけど家が欲しい」は一番危険

「家が欲しい」「マイホームに憧れる」

これは多くの人が持つ願望であり、夢でもあると思います。

毎日そこに帰り、寝泊まりする家が自分の理想通りのマイホームであることは、誰もが望むことではないでしょうか。

だから、デメリットを理解し「負債」だと認識したうえでマイホームを購入する人も大勢いるのは事実です。

デメリットよりも自分の幸福度やモチベーションなどのメリットの方が大きいと判断して購入するのは個人の判断としては良いと思います。

但し、「お金がないからフルローンで買っちゃえ!」と言うのは一番危険なのでやめておいた方がいいでしょう。

お金がないのにローンを組むと、何かあったときにすぐに返済が滞りローンを途中で返せなくなるという最悪な事態が待ち受けているからです。

今回のコロナの影響を受けローンを返せなくなった人は8万人、平常時でもローンの破綻率は4%と言われているので、25人に1人はそういう状況に陥っています。

ローンを返せなくなると、任意売却か競売にかけられることになり、残債が残れば、家はないのに残った借金だけを支払っていかなくてはならないという苦しい生活が待ち受けているのです。

安易にローンを組むのって、本当に危険なことね!

マイホーム買うなら終の棲家がおすすめ

もし、それでもマイホームがほしいという人は、人生の終盤での終の棲家の購入がおすすめです。

と言うのも、子供が巣立ち、夫婦2人もしくは自分1人になった後のほうが人生の時間は長くなります。

子育て期間の20年間を50歳で終えたとすると、その後30年40年死を迎えるまでのライフスタイルは大きく変動することはないでしょう。

また、賃貸住宅も高齢になると借りにくくなるので、そうなる前に1人、2人用で老後も快適に過ごせる場所に小さな家を、できる限り一括支払いで購入するのが一番低予算・低リスクでマイホームを手に入れることができる方法です。

若くてバリバリ働けるうちにしっかりお金をためて資産運用で増やしておけば、子供が巣立った後の第2の人生を、生活に合った素敵なマイホームでより豊かで快適に過ごすことは夢ではありません。

ただしこれは一例で、結婚した年齢、子供の人数と年齢、資産状況、住んでいる地域、買おうとしている家の値段などによって、リスクが高いか低いか、コスパが高いか低いかも変わってきます。

自分の最適なマイホーム購入かどうかの判断は、まずはきちんとライフプランニングをすることからです!

マイホーム購入はライフプランニングが大事

ここまで紹介したリスクやデメリットを回避して、上手にコスパ良くマイホームを手に入れるには、やはり個々の家庭におけるライフプランニングが重要です。

ライフプランニングとは、「ライフイベント表」「キャッシュフロー表」「個人バランスシート」を用いて、家族のライフイベントと資産の計画をしていくというものですが、ファイナンシャルプランナーの資格でも持っていない限り中々自分で作成できるものではありません。

ファイナンシャルプランナーに相談したいけど、お金をかけるまでではないなという方のために、無料で自分の家庭のライフプランを相談して、家計プラン表を作ってもらえるサービスを見つけましたので、下記にリンクを貼っておきます。

ファイナンシャルプランナーに何度でも無料で相談できて、キャッシュフロー表やライフプラン作成をしてくれるサービスもありますので、こういったものをどんどん利用して、自分の家族や資産に合わせた、無理のないマイホーム購入の計画を一緒に立ててもらうのがおすすめです。

家を購入させたい不動産屋はライフプランは考えずその時の収入目いっぱいのローンを組ませることを考えますので、中立的なFPに資金計画を立ててもらう方がリスクの回避にもなります。

しょう君のママ
しょう君のママ

マイホーム購入を考えている人は、デメリットを踏まえたうえで、まずはFPに無料で相談してみるといいかもしれませんね!

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