ねんきん定期便、見方がわからないからと言ってポイしていませんか?将来もらえる年金額がわかる大事な書類です、見方を学んでしっかりチェックしましょう!
「若い世代は年金を払ってももらえない」とか「年金額はもらえたとしても小額だ」とか「老後は年金だけでは2000万円足りない」だとか、、、。
もらえる年金と将来の不安、誰もが抱えていますよね。
でも実は、年金はちゃんとその時の物価に応じて給付される制度だということを前回の記事で解説しました。
今回は、「じゃあ一体年金はいくらもらえるの?」「どうやって計算されているの?」という、もらえる金額にスポットライトを当てたお話をしていきたいと思います。
30代の私の30年後の年金、一体いくらくらいもらえるか気になるわ!
そうよね、その金額によってはしっかり別の方法で試算も増やしておかなければいけないものね!
と言うことで、あなたが将来もらえる年金額の見積もり、そしてその計算方法、毎年届く「ねんきん定期便」の見方などを解説していきたいと思います。
この記事を読むと、将来もらえる年金額の概算がわかり、老後の資金設計の足掛かりになります^^
※今回の「年金」は「老齢年金」「老齢厚生年金」という、高齢になった際にもらえる年金の話です。
年金定期便の見方~毎月いくらもらえるかわかる~
「ねんきん定期便」とは?いつもらえる?
「ねんきん定期便」は、年金保険料納付の記録や将来の年金給付に関する情報を定期的に年金加入者に送付してくれるお知らせの手紙です。
「ねんきん定期便」は、国民年金と厚生年金保険の加入者が受け取ることができます。
ハガキや封書で届くあれです!ちゃんと中身を開いて見ていますか?大事なことが記載されていますよ!
「ねんきん定期便」は、誕生月の2カ月前に作成され、誕生月に届くように送付されています。
誕生月になったらぜひチェックしてみましょう。
ねんきん定期便50歳を境に中身が変わる
ねんきん定期便は、対象者が50歳以上と50歳未満では、老齢年金の見込額の部分が異なります。
50歳以上の場合は、現在加入している年金制度に、60歳まで同じ条件で加入し続けたものと仮定して計算した老齢年金の見込額となっています。
一方、50歳未満のの場合は、これまでの加入実績(「ねんきん定期便」でお知らせしている年金加入記録)を基に計算した老齢年金の額が記されています。
ねんきん定期便でチェックするポイント
50歳以下と仮定して話を進めていきますが、年金定期便のはがきや書類が来た場合は、「これまでの加入実績に応じた年金額」と「年金加入履歴」をチェックするようにしましょう。
これまでの加入実績に応じた年金額とは?
「これまでの加入実績に応じた年金額」は、計算時の段階までの加入実績に基づいての年金額を計算していますので、20代や30代の場合はかなり少ない金額になっているかもしれませんが、それはそれで大丈夫です。
実際の年金は、65歳までの加入と支払いの金額で決まります。
年金加入履歴の確認ポイント
年金は、加入している月数や払っている金額で、将来受け取れる年金額が変わっていきます。
国民年金に何か月加入していて、免除がある月はどのくらいか、未納月はないかなどを見ましょう。
厚生年金も同様、加入付と支払い金額を確認します。
これから、その加入付を使った計算方法を解説しますので、ねんきん定期便では自分の加入実績をしっかり把握するようにしましょう!計算方法がわかれば、実はどうやったら増えるかもよくわかりますよ!
年金がいくらもらえるか計算してみよう
ねんきん定期便には、現時点の加入条件でもらえる年金金額を記載していますよね。
ただ、実際に65歳まで支払った金額で計算された年金は50歳を超えるまで見積もりしてもらえません。
そこで、自分が将来いくらもらえるか、またいくらもラうためには今後どのように年金に加入していけばいいのかの資産ができるように、計算式について解説したいと思います。
国民年金はいくらもらえる?計算してみよう
実は、国民年金の計算方法は単純明快です。
40年(489か月)を満期として、満期満額収めた場合の年金額(年額)は78万900円(月約6万5,000円)です。
これをベースに、加入している月数を480か月で割って、自分の年金額を求めます。
国民年金受給額(年額)=78万9900円×保険料納付月数÷480
保険料の免除期間がある場合やは、免除されている月数などに応じて減額の割合をかけることになります。
納付期間としてカウント | 2009年3月までの期間分 | 2009年4月からの期間分 | |
---|---|---|---|
保険料納付済(全額) | あり | 減額無し | 減額無し |
4分の1免除 | あり | ×6分の5 | ×8分の7 |
半額免除 | あり | ×3分の2 | ×4分の3 |
4分の3免除 | あり | ×2分の1 | ×8分の5 |
全額免除 | あり | ×3分の1 | ×2分の1 |
産前産後免除(4か月) | あり | 減額無し | 減額無し |
合算対象期間(カラ期間) | あり | 0 | 0 |
学生納付特例制度 | あり | 0 | 0 |
納付猶予制度 | あり | 0 | 0 |
未納 | なし | 0 | 0 |
上記のように、実は様々な減免制度がある国民年金。
自分がどのような減免を何か月受けて来たのかをねんきん定期便で確認して、上記の表の減額率を掛け合わせて年金の受給額を計算しましょう。
これってつまり、全く年金を納めていなくてもちゃんと全額免除の申請を出して認められていたら、2分の1の39万円(月額3万円ちょっと)は年金として受け取れるってことよね?
そうです。年金を納められない事情がある場合は、未納にせずに免除の申請を出したほうが絶対に得です。そして、減免制度を受けた場合は、10年間さかのぼって追納ができるので、後からお金の余裕ができたときに支払いもできますよ。
年金って、そもそも10年間の納付期間が無いともらえないから、払えなくても、最悪払う意思がなくても免除申請を出すだけで10年たてば受給資格は得られるってことよね?50歳以下ならまだ間に合うわよね!
厚生年金はいくらもらえる?計算してみよう
国民年金の計算は、減免の減額率の計算があるものの結構単純明快でしたよね。
一方厚生年金の方は、保険料の納付月数と収入によって受給額が変わります。
厚生年金保険の被保険者期間が1カ月以上あれば受給の対象になります。
じゃあ、結婚前に2年だけ働いて厚生年金に入っていたんだけど、それも加算されるってわけね!よかった!
厚生年金の方は、定額部分と報酬比例部分、そして条件によって加給年金と言うのが受けられます。
年金額=定額部分+報酬比例部分+加給年金額
定額部分
1,628円×生年月日に応じた率(※)×被保険者期間の月数
※生年月日に応じた率(定額単価)の表はこちら(日本年金機構)
定額部分は上限の被保険者期間を超えた場合、上限の被保険者期間で計算することになります
生年月日 | 被保険者期間の上限 |
---|---|
昭和9年4月2日~昭和19年4月1日 | 444月 |
昭和19年4月2日~昭和20年4月1日 | 456月 |
昭和20年4月2日~昭和21年4月1日 | 468月 |
昭和21年4月2日以後 | 480月 |
また、共済組合等の加入期間を除いた厚生年金保険の被保険者期間が40歳(女性と坑内員・船員は35歳)以降180月以上ある方は、逆に240月未満であっても240月として計算します。
報酬比例部分
報酬比例部分の年金額は、下記の式によって算出した額となります。
報酬比例部分の年金額(本来水準)
なお、上記の式によって算出した額が下記の従前額保障の式によって算出した額を下回る場合は、従前額保障の式によって算出した額が報酬比例部分の年金額になります。
報酬比例部分の年金額(従前額保障)
- 平均標準報酬月額
平成15年3月までの被保険者期間の各月の標準報酬月額の総額を、平成15年3月までの被保険者期間の月数で除して得た額 - 平均標準報酬額
平成15年4月以後の被保険者期間の各月の標準報酬月額と標準賞与額の総額を、平成15年4月以後の被保険者期間の月数で除して得た額
加給年金額
厚生年金保険の被保険者期間が20年以上あることが対象の条件になります。
定額部分受給開始年齢に到達した時点(通常65歳)で、生計を維持する65歳未満の配偶者または18歳到達年度末日までの子がいるときに加算されます。
加給年金額加算を受けるためには、自身で届出が必要です。
対象者 | 加給年金額 | 条件 |
---|---|---|
配偶者 | 224,700円 | 65歳未満であること(大正15年4月1日以前に生まれた配偶者には年齢制限なし) |
1人目・ 2人目の子 | 各224,700円 | 18歳到達年度の末日までの間の子 または1級・2級の障害の状態にある20歳未満の子 |
3人目以降の子 | 各74,900円 | 18歳到達年度の末日までの間の子 または1級・2級の障害の状態にある20歳未満の子 |
※【振替加算】加給年金は配偶者が65歳に到達すると支給が停止します。その代わりに配偶者の方の老齢基礎年金に年齢に応じた金額が加算支給されます。これを振替加算と言います。
※年金の増やし方の裏技はこちら
おまけ:年金の平均支給額はいくら?
国民年金は約5万円、厚生年金は約14万円
厚労省「平成29年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、ねんきんの平均の支給額は下記の通りです。
自営業や専業主婦など(国民年金のみ) …約5万6,000円/月
会社員や公務員など(国民年金+厚生年金)…約14万5,000円/月
(男性の平均受給月額は約16万5,000円、女性は約10万3,000円)
国民年金の受給額の満額は約6万5,000円ですから、支払い方によってさらに満額に近づけることが可能です。
※年金の増やし方で紹介します
厚生年金をもらっても14万、、、これで老後のハッピーライフはさすがに厳しいものがありますね。
うちなんて自営業よ!6万円×夫婦でも12万円なんだから、死ぬまで働かないと楽しい老後は送れないわ!
そんな方のために、ねんきんの増やし方を次回ご紹介します。
ただ、ねんきんを増やすことも大事ですが、自分で老後の費用を設計していく事も大事だと、この金額を見て改めて実感されたのではないでしょうか?
そんな方は是非、「投資」に目を向けていただきたいのです。
このブログでは、役立つ投資情報をたくさん紹介しています。
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