人的資本・人的資産とは?|世界の投資家が最も注目する金融と経済の概念は、子育てママにこそ必要な知識だった!

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しょう君のママ
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投資家だけではありません!全人類が知っておくべき、自分自身の価値「人的資本(資産)」を、わかりやすく解説します。

「人的資本」「人的資産」と言う言葉を聞いたことがありますか?

2020年の8月に、米国証券取引委員会によって企業の「人的資本の情報開示」の義務化が実施されたことで、最近注目されている「人的資本(資産)」。

投資なんかしていないし、経済のこともよくわからないから、「人的資本(資産)」なんて私には無縁の言葉ね、、、。

ちょっと待ってください!

人的資本(資産)は、全人類に関係する大切な概念です!

そして、未来の人的資本(資産)である子供を育てている私たちママこそ、人的資本(資産)の大切さをきちんと理解し、これを高める子育てや、家計の運用をすることが最重要です。

それは、人的資本(資産)を高める事こそが、将来の経済的な豊かさを創造するからです。

この記事の要点
  • 人的資本(資産)とは、あなた自身が大きな資本であるということ(人類全員)
  • 上場企業は、採用、育成、維持などの人的資本に影響を与える項目について、株主の要望で開示することが義務化された
  • 人的資源(Human Resource)「人は消費財」から人的資本(Human Capital)「人は大切な資産」へ
  • 教育投資(特に若い頃)によって、人的資本の価値は向上する傾向がある(子育てママ必見)
  • 健康への投資によって将来働ける期間や労働の強度を大きくすることで、人的資本の価値を向上させる可能性がある

人的資本(資産)とは?

人的資本(資産)とは英語の「Human Capital」の訳で、その人自身がを資本(資産)であると捉える考え方です。

人的資本の考え方の起源は、1776年年のアダム・スミスの『国富論』とされているそいうですが、その後複数の経済学者によって、スミスのアイデアを「人的資本」と再定義して発展させたという歴史があります。

そして、1950年以降のアメリカの経済学会において熱心に研究が行われ、経済学の中でも大切な研究分野となっています。

資産と資本の本来の違い

本来、「資産」「資本」と言う言葉には、会計的には下記のような違いがあります。

「資本=資産₋負債」

【資本】「元手」のこと(自分で調達した返済義務のない価値)

【資産】資本を含めたすべての財産(借り入れなども含む)

ただ、上記は会計上(お金)の概念で、「人的資本」「人的資産」と言う言葉が使われるときは、それはほぼ同じ意味として使われているようです。

すごく厳密にいうなら、人的資本が自分自身で、人的資産は自分自身が生み出すお金の価値と言うイメージだと思います。

とにかく、人間の存在そのものが財産だっていうことよね?でも、それって具体的にはどういう意味なのかしら?

すごく平たく言うと、生涯自分が稼ぎうる給料や、受け取るお金など全て織り込んだ総額が自分の人的資産の金額と言うことかしら。今手元に貯金が0円だとしても、将来2億円稼ぐ見込みがある人の人的資産は2億円ってことね。

それを生み出す自分自身が人的資本で、人的資本の価値を上げることの大切さを論じているのが「人的資本論」よ。

人的資本論について簡単に説明

資本(お金)は投資をする事で、より価値を増やすことができます。

人的資本論の考え方は、人間を生産の為に必要な資本と捉え、教育という投資をする事によってその資本の価値を高めていくという考え方です。

人的資本論のポイント
  • 人間の経済的価値は投資によって高めることができるという考え方
  • 人間への投資とは主に教育で、教育によって能力や資質は増大し、人的資本の価値を高めることができる
  • 個人的に受けた教育が高ければ、それだけ高い生産力を持つ(=人的資本の価値が高い)
  • 人間の経済的価値を決める尺度は、人の生産的な能力や資質で、それは社会では賃金率の形で評価される

人的資本(資産)と世界の動向

人的資源から人的資本へ

世界中の企業ではこれまでそこで働く労働者を、人的資源(Human Resource)と考えてきました。

人的資源とは、人材を「資源」として管理する概念ですね。

人事部のことを「HR」と言うのは、Human Resourceの頭文字をとっているからです。

ただ、「資源(エネルギー)」という名前の通り、人を確保して「消費する」と考え、人件費はコストとして考えられてきました。

こうした旧来の人的資源の考え方に対して、人材を企業に必要な資本として「投資する」対象であるとしたのが人的資本と言う考え方です。

人的資本に対する情報開示の義務化

投資家の強い要望により、2020年8月、米国証券取引委員会(SEC)が上場企業に対して、人的資本に関する情報開示を義務付けました。

これをきっかけに、人的資本の情報開示が世界的な潮流となる可能性が高くなっています。

既にアメリカで上場している企業は、人材の採用、育成、維持に関する情報を開示、これが投資家の投資判断に影響を与える理由は「人的資本論」から容易に想像がつくことでしょう。

人を資源として消費するんじゃなくて、資本として投資して育てていく企業こそ、大きく成長する良い企業と判断されるわけね!

日本人と日本企業の人的資本の課題

日本の伝統的な企業は、終身雇用制や年功序列といった制度が根強く、社内に競争力の低い人材が多く存在する状況も発生していました。

「働かないおじさん」や「窓際族」なんて言葉が生み出されるのはまさに、こんな日本企業の体制が背景にあります。

日本型雇用制度は、人的資本をうまく活用できず、経営戦略と人材戦略が結びついていないことが大きな課題となっています。

そして「日本人は世界で一番社会人が勉強しない国民」と言われているように、社会に出てからの自己への教育投資をしない、自分自身で人的資本(資産)を育てようとしないという課題があります。

企業の業績を伸ばすことにしても、個人の経済的豊かさを実現することにしても、日本においては人的資本への投資(自己投資)と言う概念が薄すぎるため、成長が停滞している状態なのです。

投資の判断材料になる人的資本(資産)

先程、投資家の要望によって、人的資本についての情報開示が実現したと述べました。

「人的資本(資産)」は、様々な面で「投資」の判断材料となります。

その一つが、投資家が投資先企業を決める判断に、「人的資本」を重視していることです。

その他にも、個人が「人的資本」を「投資」の判断材料として使用するのは、下記のような例です。

若い世代・子育ては人的資本への投資が最重要

子供を含め、若い頃と言うのは「貯金」つまり、金融資産はほとんど持っていません。

社会に出て、働いて、それを貯めていく年月が長くなる中で、金融資産は増えていきます。

ただ、この「働く」と言うことが重要で、何をしていくら稼ぐかによって、人生において手に入れられるお金の総額(人的資産)は大きくかわります。

稼ぐ力(人的資本)× 働ける年数=人的資産

となるため、稼ぐ力を高めるための教育投資を、できるだけ若い段階でしておくことで、その先長い期間稼ぎ続けることができるのです。

「人生100年時代の資産管理術 リタイア後のリスクに備える」と言う書籍にも、人的資本について下記のように言及されています。

1. より収入の高い職業に就くと人的資本は増大する

2. 当面および将来予想される収入が同じでも、収入の安定性が高い方が人的資本の価値は高い(将来の収入を現在価値に引き直す割引率は将来収入の変動リスクが小さい方が小さくなるから、現在価値が高くなる)

3. 教育投資(特に若い頃)によって、人的資本の価値は向上する傾向がある

4. 健康への投資によって将来働ける期間や労働の強度を大きくすることで、人的資本の価値を向上させたり、低下を抑えたりできる可能性があるといったことが大まかに言える

5.教育や健康以外にも、人間関係や美容など、場合によってはある種の休息に対する投資も「人的資本の価値を向上させる有効な投資だ」と言える可能性もある。

人間の経済的価値(人的資産)を決める尺度は、生産的な能力や資質で、それは社会では賃金率の形で評価されるので、能力や資質を高める教育を子育ての段階から意識していく事が大切だということ。

子供を育てるというのは、子供の将来の経済的豊かさのために、人的資本を投資によって育てると言い換えられます。

英語やプログラミング、FP技能など、生産的な能力と資質に寄与するような教育に投資することは素晴らしいことですね。その能力に「希少性」があればなお、人的資産は安定的なものになります。

もちろん、もうすでに大人になったママやパパがこれから自己投資をして、スキルアップをし、稼ぐチカラを身につけていく事は素晴らしいことです。

30代、40代でも、少なくともあと20年は働くとしたら、少しでも人的資本の価値が上がるに越したことはありません。

金融資産は人的資本を含めたポートフォリオに

ただ、私たち大人がもう一つできることは、「投資」に人的資本を生かすことです。

アメリカの投資家のように、人的資本に投資している優良企業を見つけてその会社に投資するというのも一つですが、主には個人の「ポートフォリオ」に人的資産まで含めるということです。

投資?ポートフォリオ?それと人的資本がどう関係あるの?

投資については、下記に様々な角度からまとめています。

投資の原則に「卵は一つのカゴに盛るな」という有名な言葉があります。

リスクは分散せよということです。

株式投資などの投資を始めるとき、人は持っている貯金などの「金融資産」にしか目を向けることができません。

その中で、リスクを分散させようとします。

自分の資産を「金融資産」+「人的資産」で考えたとき、はじめてリスクを分散させるバランスの良いポートフォリオを作ることができるのです。

日本企業で働く日本人の人的資産は100%日本由来の安定資産で、収入源が1つしかなければリスクは分散できていません。

「金融資産」はあくまで「人的資本」を支えるわき役と考え、これに対してバランスをとる形でポートをリオを考える必要があるのです。

9割の日本人がリスク分散できていない

こう考えたとき、「人的資本」を100%日本由来の安定資産で持っているにもかかわらず、ほとんどの日本人が「普通預金」や「定期預金」「積立型の保険」などで金融資産を保有しています。

でも実は、これは1ミリもリスク分散できていません。

なぜなら、これらすべての資産の出どころは「100%日本由来の安定資産」だからです。

リスクの分散をしているつもりで、全部の卵を同じカゴに持っている状態だったのね!

100%日本由来の安定資産」に対して、リスク分散をすると考えると「海外由来の資産」「リスク資産」など、別のルーツを持つ資産を持たなければ、それはリスク分散ではないのです。

  • 海外で働く(海外由来の人的資産)
  • 外貨建て預金をする(海外由来の安定金融資産)
  • 外国株式を購入する(海外由来のリスク金融資産)

など、人的資産と金融資産の両面から、様々な種類の資産に分散するのが理想です。

株式投資は世界株式がおすすめ

人的資産もポートフォリオの一部として考えると、日本円で給料をもらう日本人が、せっかく株式投資を始めても日本株ばかり購入していては、ほぼリスク分散になっていないということがわかります。

日本円しか持っていなければ、日本がバブル崩壊のような憂き目にあったとき、現金も株も、すべての資産は泡です。

世界に目を向け、海外由来の資産を持っておくことが、別のカゴに卵を分けていれることになるります。

最近は、「米国株投資」「全世界株投資」が結構話題になって、実践している人が増えてきていますね。世界にリスク分散をさせる動きが少しづつ日本にも広がってきています。

教育投資(自己投資)&世界への投資が最有力

ここまで、人的資本(資産)について解説をしてきました。

人的資本の考え方が、どのようなものかご理解いただけたでしょうか?

その中で子育てママの皆さんが、近い将来を経済的豊かに過ごすためには、2つの「投資」をお勧めします。

1つは「教育投資」

これは、お子さんへの教育投資だけでなく、自分への自己投資も含めて、人的資本への投資です。

2つ目は「世界への金融投資」

リスク分散のために、外国株式を買ったり、外貨預金をするなど、日本円以外の資産の割合を増やしていきましょう!

しょう君のママ
しょう君のママ

皆で、経済的自由を目指しましょう!

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